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前回のコラム「【複数の媒体使用】モデル肖像「流用」方法3つのポイント」で、『延長』『流用』の意味については、概ねお分かりいただけたかと思います。
今回は、『延長の仕方』ということに焦点を当て、スマートに交渉を運ぶことができる3つのポイントをお伝えします。
目次
まず、この「肖像利用の期間が見えない場合は予め複数の期間設定で見積をとる」事についてですが、以下のような事が理由となります。
基本、モデルには定価と呼べるものが出ている事はありません。そのような中“例えば1クール10万円”で交渉を進めて行き、モデルさんの内示が出た後に“やはり1年(4クール)”でとなった場合、中には×4の40万円という金額を提示される事もあります。
もちろん、元々の1クール10万円がとてもリーズナブルな価格であれば、分からない事もありませんが、もし最初から“1クールと1年(4クール)の2パターンで見積もりを一緒に“というラインからスタートしていたとしたら“1クール10万円そして1年(4クール)は36万円で”という見積が出て来ていたかもしれません。最初から複数のパターンでお願いできていれば、見積価格を下げる事ができた可能性がある、これがその理由です。
モデル契約に限った事ではありませんが、契約にかかる管理工数が下がる事を考ると、契約期間が長い方が、ギャラを交渉しやすという論法は通じない話でありません。
同様の事が「延長した場合の金額が聞けるのであれば、それも確認しておく」事においても言えます。
1年の契約終了後、再度1年の『延長』をした場合の概算見積を聞いておく事により、撮影実費が無い分、当初金額の9〜8掛け程度で再契約出来る事もあります。もちろん当初の金額がモデル事務所が相当頑張って出した金額であれば、その限りではありませんが、“教えてください”というのはタダです。是非聞いてみましょう。
最後の「契約当初から、“極端なディスカウント”を行うと『延長』自体が出来なくなる事もある」について、とてもレアと言えばレアですが、実際にわたしたちも経験した例です。
あるクリエイティブを制作するに当たりでモデルさんを5人起用する案件がありました。
当初予算が無く、制作担当のクライアントは、モデル事務所に1年で数万円のギャランティという条件で、さまざまな事務所からモデルさんを起用しました。モデル事務所からも相当ギャラの交渉をされたようですが、なんとかそこは制作会社の熱意が勝ち(?)、当初は予算の範囲で納める事が出来ました。ほどなくして、広告が公開されると社内外共に評判が大変良く、早々に次年度以降の『延長』利用という話が上りました。
しかし、結果から言うと制作会社の願い届かず1年でその広告は使う事が出来なくなってしまいました。・・・ある1名の子役のモデル事務所が『延長』を断って来たのです。
紐解いてみると、契約当初、制作会社の担当の方は熱意を以って交渉に努め、その事務所も「1年であれば」という事で出演を了承しました。広告の評判が良かったという裏で、実はこの子役のモデルさんも各所の広告で活躍する相当な売れっ子になっていたのです。
総合エンターテイメント色の強い事務所だったこともあり、次年度の戦略は“このモデルを、より露出の多いTVやタレント色の強いプロモーションをかける”という事になり、事務所として厳しい内容である案件の延長を断るという結論に至ってしまったようです。
とても残念な話ですね。
これを聞いたスポンサーは大変困り、やむなく別の子役モデルと元のモデル4名を使い再撮影をしました。もちろん、1年前同様フォトグラファーをはじめとした各種クリエイター全てを揃えて。
実際にあったこのケースで吸収できる事は、
という事となります。
最後のケースの場合“売れっ子になってしまったからプロモーション戦略がかわった”という理由であると、ギャラの大小だけで回避できたかはわかりかねます。
しかし、未だにモデルのエージェント業務は人(マネージャー)依存でなりたっている事も否めません。第三者的な感覚による推察の域を超えませんが、当初契約、そして延長時における交渉、その他様々な関係値を上手く事をすすめられたか?…様々なポイント一つひとつ取ってみると、キャスティング会社経由であれば、もしかしたら『延長』契約も叶った案件であったのでは、と考えられます。
当社を含めたキャスティング会社であると、このようなケースは大変稀です(もちろん0ではなく、当社も経験した事があります)。それは、キャスティング会社がモデル手配に特化し、モデル事務所もキャスティング会社を経由する事で、案件数的なメリットや、交渉内容の精査などのメリットがあり、相互に一定のリスペクトされた関係値である事がその理由です。
瞬間的なキャッシュアウトの交渉はもちろんですが、モデル肖像という商品特性を理解しながら、長い目で見た時のメリット/デメリットをイメージして上手にモデル起用していただく事をお祈りします!
モデルを起用する際、はじめから「『延長』を含んでモデル肖像の期間の軸で抑えておく」ということが大切
Q. 契約料以外に発生する費用は何ですか?
A. モデルの契約料にはほとんどの場合初回の撮影料が込になっていますが、カメラマンやヘアメイク、スタイリストなどクリエイターの金額、スタジオの金額などが発生します。また、都内以外での撮影時は別途交通費がかかる場合があります。 上記のような契約料以外にかかる費用に関しては、ご契約前に予めお伝えいたしますのでご安心ください。
Q. 複数人設定のモデルキャスティングをお任せする事は可能でしょうか?
A. 可能です。弊社YOU MAY Castingは、結婚式や家族設定、スポーツ競技(サッカーやバレー)等多くの提案実績がございます。
Q. モデルキャスティングの金額が知りたいです。
A. 弊社YOU MAY CastingのHP上に料金表を掲載しております。条件によって変動がありますが、大きく3つの項目にポイントを絞った形で概算金額を算出しています。
弊社ホームページ:https://youmaycasting.com/
Q. モデルだけでなく、撮影チームもマルっとお願いすることはできますか?
A. はい、全てお任せください。弊社YOU MAY Castingは、カメラマン、ヘアメイク、スタイリストなどのクリエーターやスタジオ選びなど、撮影内容やシチュエーションに応じたご提案をさせていただきます。
Q. モデル撮影と同日で商品撮影(物撮り)も可能ですか?
A. はい、撮影のボリュームによっては別日になってしまう場合もありますが、同日撮影も可能です。
ユウメイキャスティング チーフキャスティングディレクター。
上京後20代前半は飲食業界に尽力。その後、モデル・広告業界に飛び込み制作・モデルプロモーションツールデザインに就く。モデル業界のノウハウを以ってユウメイキャスティングの中枢機能として活動。ユウメイキャスティングでは様々な企業広告の提案活動に従事する。