
投稿者: 小林 力
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ある日のランチタイム、社内の女性スタッフに
「『モニターモデル』って言ったら、どんなモデル想像する?」
と聞いてみたところ、
「最近、インスタによくメッセージで来る“化粧品をタダであげるから載せて”の、アレですよね?
送られて来たら、それを自分で試して…というか試さなくてもいいのかな?それをインスタにあげるみたいな。で、その化粧品は貰える。っていうアレですか?」
と。
おっしゃる通り、それこそがモニターモデルです。
昨今、InstagramをはじめとしたSNSの普及により、大きな広告での訴求よりも、こういった一般目線に近いところでの、口コミ広告のような訴求が流行っています。“インフルエンサーマーケティング”とも言われ、拡大しつつあります。
“モニターモデル”や“愛用者”は、一般の方もいらっしゃいますし、プロのモデルもお仕事として受けているパターンもあります。
ではこの「モニターモデル」や「愛用者」、どのようにして手配すれば良いのでしょうか?
今回はその辺りを少し掘り下げてみようと思います。
目次
消費動向に大きな影響力を持つ、インスタをはじめとしたSNSやyoutubeなどの動画サイト。
我が家でも、
娘「誕生日は×××ちゃんが使っている○○○のお家が欲しい~」
私「×××ちゃんって幼稚園のお友達?」
娘「ううん。ゆーちゅーぶ」
私「・・・・・・」
と、日々このようなやりとりの繰返し。
購買動向において、動画サイトやSNSが若年層を中心に広く影響力を持ち、販促の場になっているのは、もはや当たり前のことなのです。
口コミ文化の根底にあるインスタグラムなどのSNSを舞台に、モデルやタレントとは少し異なる、等身大のモニターモデルが高い訴求力を持っています。
モニターモデルを起用する、美容関連やアパレル、キッズ関連企業の大抵の謝礼は、投稿するその商品そのもの。つまり“身に着けて(使用してみて)SNSへ投稿・応募した当該社製の商品をプレゼント”というものになります。
モニターモデルの中から専属モデルを探すような企業もあり、そのような扱いになれば、
一定金額の謝礼(数千円から1〜2万円程度)が支払われる事もあります。
プロのモデルのギャランティとだいぶイメージは変わりますが、一昔前の“読者モデル”をイメージするとおおよそ相異ないでしょう。
ただ、“商品プレゼントのモニターモデル”を我々キャスティング会社が介在して手配する事は非常に稀です。
インフルエンサーを専門に扱うコンサルティング会社、または集め方を指南するような会社は存在しますが、一人一人をオーディションして…という手順で手配する事はまずありえません。また、インフルエンサーはフォロワー数にはじまる“拡散力”が一番の目的とされるため、モデルやタレントの訴求力とは少し異なります。
多くの場合、各企業は自社のSNSをフォローして貰い、その中からモニターモデルの候補を探すことからはじめています。ギャラというモチベーションの他に、アパレルであれば「自分のキレイな姿の写真を採用してくれる」という女性心理を、そしてキッズ関連商品であれば「自分の子供と一緒に記念の一枚をとってくれる」というママ心理をくみ取り、企業と応募者でWin-Winの形をつくっています。モニターモデルは、より身近な存在として商品を紹介し、企業の等身大のイメージを広げているのです。
前項ではSNSを中心に展開する方々をモニターモデルと定義付け進めましたが、次はチラシやインフォマーシャルなどに出てくるいわゆる『愛用者』の方々に着目してみましょう。
スポンサーが、“なるべくキレイな方”“健康な方”を、自社の愛用者として起用したいと思うのは当然のこと。ただそのような方が全員、広告出演に快諾してくれるとも限りません。
真の愛用者だけを募ることができ、一般の広告を超える影響力を持つ、これがベストなのですが、元来、“自分が本当に気に入っているものを紹介”し、その上で“頑張っている日々の努力を公の下にさらす事はしたくない”、というのが消費者心理であり、事実それも中々に難しい…。
その結果、私達のようなキャスティング会社に愛用者モデル手配のご依頼を頂くという事になります。
当社も“愛用者の声”に出て貰うシニア等のモデルもキャスティングします。
とても好評で今でも起用頂いている「愛用者」モデルがいる一方、一度ご起用頂きながらも、残念ながら二度目のオファーがなかったモデルさんもたくさんいました。
その実、どこに差があったか? YOU MAY Castingなりに分析をして見ると以下のようになりました。
まず、インフォマーシャル等に出ている『愛用者』が本物(本当に愛用している)かそうでないかを、大抵の視聴者が見抜いてしまう(見抜かないまでも「素人ではなさそうだ…」という感覚を抱く)事を多くのクライアントからフィードバックして頂きました。
愛用者モデルの話がある前から愛用している“根っからの愛用者”と広告の為に声のかかった“新人愛用者”―
後者はもちろんモデルなので、一定レベル以上のスキルを持ち備えますが、心の底にある“好き度合いの差”や“使用した歴史”というものは、コメントにも表情にもどうしてもあらわれてしまうのです。
このように、“愛用者”や“モニター”における広告訴求の強さは、表現力や見た目等よりも心の奥底にあるものが大きく影響してしまうという事を知りました。正に“愛用者の声”たる所以と言えば理解できる話です。
それではキャスティング会社を使って愛用者を起用すると効果が高いのはどのような場合でしょうか?
私達の経験上、起用したモデルが“この案件を機に本当に愛用を続けている”商品の場合、愛用者として起用されたそのモデルや商品はとても好評です。
換言すると本当の愛用者になりえる人や本当の愛用者候補である場合です。
広告撮影までに、本当の愛用者となれるほどの準備期間がある、効能を感じ取るまでに時間が短い、こういった場合の広告は効果が出るようです。また、多くの候補をモニターとして準備し、本当に愛用者となった方だけをモデルとして起用する、そのような方法も効果のある愛用者のキャスティングにつながります。
口コミ文化の根底にあるインスタグラムなどのSNSを舞台に、モデルやタレントとは少し異なる、等身大のモニターモデルが高い訴求力を持っています。
いかがでしたか?
取扱い商品・サービスを鑑み、当コラムのポイントをご参考にモニター・愛用者をキャスティングされる事をおススメします。もちろん当YOU MAY Castingも企画段階からのご相談もお待ちしております!
プロモデルスタジオ代表 ユウメイキャスティング マネージングディレクター。
大手IT会社クライアントセールスを経てファッションモデル業界へ。モデルになりたい人向けのポータルサイト制作等に従事。
モデル関連のサービスを多数経験の後、プロモデルスタジオ設立。キャスティング業務を通して多くの企業広告制作の協力を続ける。