皆さんこんにちは、YOU MAY Castingの鈴木です。
以前、こちらのコラムで芸能事務所の契約形態で「マネジメント契約」と「エージェント契約」の【メリット・デメリット】を書かせて頂きましたが、今回は事務所を辞めて起こる【メリット・デメリット】についてお話ししようと思います。
エンタメ業界・芸能業界のタレントたちはどんな契約を事務所と締結している?今回は契約内容と「マネジメント契約」と「エージェント契約」の2つのメリットとデメリット、弊社YOU MAYキャスティングでのタレント・クリエイターのエージェントサービスについてお話します。
近年、俳優や女優、モデル、タレント、お笑い芸人およびYouTuberまで、所属していた事務所から独立したといったニュースをよく耳にすると思います。
もちろん以前から芸能人が事務所から独立して、個人事務所を立ち上げるといったことはありましたが、なぜ最近特に増えているのでしょうか?
目次
その理由についてはさまざまな意見があると思いますが、3つ代表的な理由を挙げてみます。
第一の原因は長年芸能界に影響力があり、力を持っていた社長の引退や世代交代などがあります。
代表的なものとして、ジャニーズ事務所のトップ、ジャニー喜多川氏が亡くなられたことは皆さんに記憶にもまだ新しいはず。実際にその直後たくさんジャニーズのタレントが退所しています。
もう一つは、オスカープロモーションのトップの世代交代などによる経営方針の方向転換によるタレントや社員の大量退所(退社)が挙げられます。
このように世代交代をしていく過程で事務所の方針が変化し、その方針に賛同できないタレントやアーティストが辞めてしまう、という例は少なくありません。
以前は事務所を辞めると、テレビやイベントなどのメインのメディアに出演する機会が激減することが当たり前でした。
ただ最近では個人で立ち上げたブログやファンクラブ、YouTubeやInstagramなどのソーシャルメディアの拡充によって、独自でファンや一般、そしてマスコミに向けて情報を発信することが簡単になりました。そして同時にそのソーシャルメディア自体をプラットフォームとして収益もあげることができるようになったことも大きな理由と言えるでしょう。
以前は大きな事務所を辞めるとテレビ番組に出演できないように圧力をかけているといったことが業界で言われておりましたが、2019年に公正取引委員会が独占禁止法違反につながる恐れがある行為や疑いに対して「注意」が示されました。
こちらはあくまでも「注意」ということなので、調査して圧力などの違反行為はなかったという結論でしたが、事務所を辞めたい芸能人の独立のきっかけとなったことは事実です。
独立しやすい時代や環境になっていることは上記の通りですが、では実際に事務所を辞めて個人事務所として独立することで何が変わるのでしょうか?
具体的なメリットデメリットを見ていきましょう。
注目されやすいのが金額面かと思います。
独立すれば、もちろんギャラ(出演料)は全て自分のものになります。事務所に所属をしているとあらかじめのマネジメント契約により、仕事先から支払われるギャラのうち事務所の取り分がいくらになるか決められています。業界の手数料の割合はおよそ40〜60%と言われていますが、契約形態によってその取り決めはさまざまです。単純計算すると手取りが約2倍近くになる…メリットとしては大きいですよね。その他、給料制という形態を取る事務所をもありますので、仕事をすればするほど自分にお金が入る個人事務所はメリットが大きいと言えるでしょう。
また事務所に所属していると事務所の売り出し方や方針などにより、タレント自身が自由に仕事を選べない場合があります。独立して個人事務所で仕事をすすめていく場合は、自分の納得いく仕事を自由に選べ、さらにギャラや細かい出演条件なども交渉することができます。自分の意思で全てを決めたい人にとっては良い、と言えます。
一言、これに尽きると思います。
独立をすると仕事先とのギャラや条件の交渉、スケジュール管理、その他事務作業も全て自分で行わなければなりません。
例えば車や運転手などの移動手段の手配、細かいところでは撮影場所への差し入れなど、今まで事務所がタレントに代わって行ってくれていたさまざまな雑務を自分で手配する必要があります。
オスカープロモーションから独立をした米倉涼子さんも、あるテレビ番組で、独立してみてどうだったかを聞かれた際、「やめた方がいい」と答えていました。
全て自分でやろうとして社長業に時間を取られると、今までのように演者としてやるべきことに時間が割けないといったことが理由のようです。
またトラブルが発生した際、大手事務所などはスキャンダル記事などに対する対応にも慣れていて、対策チームやマニュアルがあるとも言われていますが、取材対応や訴訟対策まで、受け皿になってくれる事務所がない為、自分一人でやらなければいけません。
その他、経理業務や税金などお金に関する管理もなかなか自分一人では大変です。親族や信頼できるスタッフがいてそのような業務を任せることができる人がいれば良いですが、その分のお金もかかりますし、裏切られるケースもよく聞きますよね。知識がなければ失敗してしまう場面も多く出てくることでしょう。その失敗をカバーするのも自分自身、となると、本業である表舞台の仕事で本領発揮ができないようなことも容易に想像ができます。
営業面でも人気タレントを多く抱える事務所であれば、バーターで仕事を回してもらえたり、オーディション情報なども多く集まってきますが、個人事務所では自らテレビ局やキャスティング、クライアントへの挨拶まわりをする必要があります。メリットの部分でお伝えしたソーシャルメディアを使った情報発信などを余程うまく駆使していかないと、なかなか新規の仕事には結びつきません。
また、ソーシャルメディアは自分が自分のブランディングをしているため、新たな方向転換や新たな方向性を見出すことも難しくなります。事務所に入っていれば、所属するタレントの仕事などからも業界の状況も把握しやすくなるため、自分の立ち位置を俯瞰してもらった上でアドバイスを聞くことができますが、個人事務所となるとそうもいきません。
なお、昨今大手アイドル事務所でも話題の「エージェント契約」について詳しくは下記のコラムでも紹介しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
ジャニー喜多川氏の性加害問題の報道があり所属タレントのCM契約解除などの異例の事態が世間を騒がせました。「SMILE-UP.」への会社名変更、「TOBE」新会社設立…今回は多くの注目を浴びるこの2つの新会社とエージェント契約、アイドルキャスティングについて解説します。
事務所を辞めて個人事務所で活動をしていく場合のメリットデメリットはいかがでしたか?
業界の形態も変化し、これからも独立をして、個人事務所を立ち上げる人も益々多くなっていくと思われますが、人によって、成功/失敗のパターンは様々です。
弊社YOU MAY Castingでは、タレント・クリエイターのエージェントサービスを展開しています。
サービス範囲は我々が定めるものではなく(一定の範囲やルールはありますが)、個々の皆さんの「足りない事」や「不安な事」、「助けて欲しい事」などを相談の上、専任のスタッフが業務の代行をさせて頂いております。
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ユウメイキャスティング チーフキャスティングディレクター。
上京後20代前半は飲食業界に尽力。その後、モデル・広告業界に飛び込み制作・モデルプロモーションツールデザインに就く。モデル業界のノウハウを以ってユウメイキャスティングの中枢機能として活動。ユウメイキャスティングでは様々な企業広告の提案活動に従事する。